◆釈迦牟尼世尊(座高1.2m・全長高2.7m) click to collapse contents

お釈迦さまのお像は数多い中で、5種類に分類される。第一は誕生仏、花祭りに甘茶をかけてお誕生を祝う、赤ん坊のお釈迦さま。第二はお釈迦さまが修行をしておられる苦行像で大部分は座禅を組んで精神統一中の、お姿のお釈迦さま。第三は自分の心の内側にある誘惑を退け、迷いを打ち切る降魔成道で、手のかたちが、右手の甲を上に出し、掌を下側にして5本の指を伸ばし、座禅のかたちから、指先は軽く地にさわる、お姿のお釈迦さま。第四は説法をしていらっしゃる、施無畏(せむい)は手のひらを前方に向けて立てた右手を言う、与願(よがん)の印は左手のひらを上向きにする、お姿のお釈迦さまで、指で「転法輪」を結ぶ場合もあります。第五は、お釈迦さまの入滅を表す涅槃像とされています。
当寺のお釈迦さまは第四の人々に説法しておられるお姿で、施無畏の「施」は施すという意味があり、与願の「与」は与えることを表すものです。そして与願の「願」とは人が望み、追求する目標であり、菩提を求める願を起こすということになります。つまり悟りにたどり着こうと志すことが、「願を起こす」ことであり、願を起こすことが、「発願」となり、それまでにない力がわいてくる、本願力となります。このお釈迦さまの与願印という手のかたちは、仏さまが「願」を「与」えてくださることのシンボルとなります。